能登半島地震を受け、1月11日から横浜市薬剤師会が現地に派遣している移動薬局車(モバイルファーマシー)の第6陣として、岡本薬局(明石町)の薬剤師・桐生直明さんが、1月31日〜2月4日まで能登町宇出津で被災地支援を行った。

元々災害対策に興味があった桐生さんは、平塚中郡薬剤師会でも防災部会に所属している。桐生さんは他県の薬剤師と4人1チームを組み、避難所5カ所を訪問。地震発生から1カ月後の派遣ということもあり、主に避難所の二酸化炭素の数値などを計測する環境整備に係わる業務を行った。

桐生さんらが訪れる前日、同避難所に愛知県の薬剤師チームが訪問し空気環境検査をしていたため、桐生さんらはその指導に対する効果を実証。本来1500PPM以下が望ましい数値のところ、前日は3000PPM以上あった避難所も。指導を受け自主的に換気を行ったことにより、1000PPM近くまで数値が下がっていたという。「3000以上の数値の場合、頭痛や吐き気などが起こる可能性もある。寒さから、(発火した炎を後方のファンで遠方へ拡散させる)ジェットガスヒーターを4基ほど使用している避難所もあり、数値が高かった」と振り返る。

課題に感じたのは、支援者の拠点が被災地から離れていたことという。桐生さんの宿泊場所は、日本薬剤師会の拠点があった柴垣市だったため、能登まで片道2時間半。「往復で5時間取られるので、被災地で支援できる時間が限られてしまった」と悔しさを滲ませる。現地での支援を通し「災害を自分ごととして捉えることが大切」と話した。