任期満了に伴う藤沢市長選が18日、投開票され、無所属で現職の鈴木恒夫氏(74)が4選を果たし、いずれも新人で無所属の国松誠氏(62)、相原倫子氏(63)を破った。鈴木市政の3期12年の継続か刷新かが主な争点となったが、民意は「続投」を選択した。投票率は前回比5・42ポイント増の34・69%で、12年ぶりに30%台に回復した。

鈴木氏は「誰一人取り残さないまち」を掲げ、在任中に人口が約3万人増加した実績を強調。子育て支援策では小学校給食の無償化や小児医療費助成の高校生までの引き上げなどを提示した。

まちづくりでは村岡新駅(仮称)周辺地区や健康と文化の森地区など都市拠点の整備を進めると主張。「この流れを止めてはいけない」と訴え、他陣営からの多選批判をはねのけた。

午後10時40分ごろ、当選確実を受けて支援者から拍手で迎えられた鈴木氏は「感無量。厳しい選挙だったが、郷土愛あふれる藤沢をつくりたいと愚直に訴えた。超高齢化、人口減少などさまざまな課題が待っているが、皆さんと乗り越えたい」とあいさつ。今後の4年間に向けては「何よりも暮らしやすい藤沢を皆さんと進めていきたい」と決意を述べた。

組織力及ばず

午後10時50分ごろ、国松氏は支援者に「多くの人が新しい藤沢の実現のために力を尽くしてくれた。選挙に負け、お詫びのしようもない」と敗戦の弁を述べた。

4期務めた県議を退き、退路を断って市長選に臨んだが、党派を超えた議員、経済団体の支援を受ける現職陣営の強固な組織力に及ばなかった。あいさつでは「藤沢が生まれ変わらなくてはならない気持ちは変わらない。若い議員に夢を託したい」とも述べた。

落選も笑顔で

午後10時40分過ぎ、相原氏は支援者に頭を下げ、「お金がない中で支えてもらい、心から感謝。楽しい選挙だった」と笑顔で振り返った。選挙戦では現職の多選を批判。初の女性市長の誕生による市政の刷新を訴えたが及ばなかった。

「2候補とも私たちの政策に寄せてきた。今後、市長は私たちの要望に後ろ向きな態度は許されない。突き上げていく」と前を向いた。