電気自動車「日産リーフ」の再生バッテリーを利用したポータブル電源が「防災・減災×サステナブル大賞2024」の「減災サステナブルアワード」で最優秀賞を受賞した。日産自動車(株)をはじめとした西区、神奈川区の3社が共同開発したもの。2月20日に東京ビックサイトで授賞式が行われた。

「減災サステナブルアワード」

同アワードは防災・減災におけるレジリエンス(回復力)向上ならびにSDGs関連の活動および成果などを評価するもので、(一社)減災サステナブル技術協会が主催する。今年で4回目。

今回、防災・減災の側面における社会貢献活動として、将来の展開性の高さなどが評価された。

大賞の商品は、日産自動車(株)=本社・西区高島=と、カーナビゲーションなど自動車関連製品の開発、製造などを手掛ける(株)JVCケンウッド=神奈川区=、電気自動車に使用された電池部材を再利用、再製品化しているフォーアールエナジー(株)=西区みなとみらい=の3社が共同で開発。

車載バッテリーの特性である、自己放電が少なく長期保管が可能なこと、約2千回の繰り返し充電ができることが特徴の商品。中古バッテリーを再利用することで、製造時の二酸化炭素の発生が抑えられる。持続可能な脱炭素化社会の実現にも貢献しているという。

3社はポータブル電源の需要の高まりを受け、日産リーフの再生バッテリーを利用し開発することで合意。22年4月に試作品を公開した。

商品は23年9月から日産自動車の販売店舗で、11月下旬からJVCケンウッドの公式オンラインストアで販売。車載用のオプションに一般客が購入したり、タクシー会社の防災用非常電源や自治体での防災用品としての活用など、幅広く利用されている。

被災地へ無償貸与も

商品100台は、能登半島地震の被災地に無償で貸与されている。停電が長引く石川県の珠洲市や輪島市の高齢者支援施設で、職員の携帯電話などの電源に使用されているという。日産自動車の初鹿野久美さんは「電気自動車のバッテリーの持つ『安心安全』の性能を生かして、防災・減災にも役立つ商品。幅広いお客様にご利用いただきたい」と話していた。