耕作放棄地の解消や再生可能エネルギーの普及促進に取り組む合同会社小田原かなごてファーム(小田原市成田/小山田大和代表)が、同市高田にソーラーシェアリング設備を建設。2月26日から発電を開始している。

ソーラーシェアリングは、農地に太陽光発電パネルを設置しその下で作物を育てる、発電と農業を同時に行う仕組み。

同社は2016年から、県内で先進的にソーラーシェアリングに取り組んでおり今回で6基目の設備となる。元は耕作放棄地だった約900平方メートルに発電パネル112枚を設置。発電出力は61・6kW、年間7万kWh超の発電を見込んでいる。

パネルの下でミカン栽培を行い、初年度は苗木を20本植えた。最終的には50本程度まで増やし、同社の製品「おひるねみかんジュース」の原料に利用するという。

発電した電気は、固定買取価格制度(FIT)ではないNon-FIT形式で新電力会社に販売した上で同社が運営する「農家カフェSIESTA」(市内成田)で使用している。事業費約1460万円のうち730万円は、小田原市の「地域脱炭素移行・再エネ推進重点対策加速化事業補助金」を受けている。

小山田さんは「開成町で7号機の建設も決定している。これからも良い条件の案件があれば、推進していきたい」と意欲を見せている。