真打目指す35歳

南区出身の落語家・春風亭かけ橋さん(35)ら横浜出身の二つ目の落語家4人が出演する「関内寄席ここらの4人〜真打への道〜」が4月24日に関内ホールで行われる。

真打を目指す若手を応援する目的で同所が行う企画で、2月に始まり、来年3月までの全6回公演。かけ橋さんのほか、中区出身の立川うぃんさん(36)、旭区出身の春風亭昇羊さん(33)、緑区出身の三遊亭ごはんつぶさん(27)が中心メンバーとなる「ここらの4人」で、公演では、ほかに若手を招く。第2回公演を前にかけ橋さんに横浜への思いなどを聞いた。

藤の木中卒

かけ橋さんは南区大岡出身。藤の木中学校では柔道部に所属し、主将を務めた。横浜高校では国公立、有名私大を目指す特進コースを選択。「特進は部活動ができない決まりだった」が、校内の球技大会ではソフトボール競技に出場。「相手チームに野球部がいて、コテンパンにやられた」のもいい思い出だという。

談志さんに衝撃

落語と出合ったのは西区の市立中央図書館。大学受験の勉強の息抜きにとたまたま手に取ったのが、「立川談志遺言大全集」。談志さんが自らの落語を書き記したもので、「文字を読んでいるだけなのに声が聞こえてくるよう」と衝撃を受けた。「着物を着たおじいちゃんがやるもの」というイメージが一変。若い世代でも物語として楽しめると感じ、上大岡駅近くのTSUTAYAで桂枝雀さんのCDを借りるなど、落語への興味を深めていった。

法政大学理工学部に入学後、落語研究会に所属。横浜にぎわい座や地域寄席へも足を運んだ。3年の時、「学生落語の甲子園」とも呼ばれる全日本学生落語選手権「策伝大賞」で決勝進出を果たしたことで入門を決意。家族と約束した大学卒業後の2012年、柳家三三さんに入門した。

2人の師匠

「柳家小かじ」名で16年に二つ目に昇進したが、18年4月に所属していた落語協会を退会。それでも諦め切れず、同年7月に落語芸術協会の春風亭柳橋さんの門下に入った。二度目の前座を経て、22年7月に二つ目へと昇進。昇進記念落語会では元師匠の三三さんと現師匠の柳橋さんが口上を述べる異例の形となり、2つの協会、2人の師匠を結ぶ、まさに「かけ橋」のような門出となった。滑稽噺から人情噺まで幅広い守備範囲と心地よく響く語り口が持ち味だ。

第2回公演は4月24日午後6時30分開演。かけ橋さんのほか、立川うぃんさん、春風亭一花さん(37)、柳家あお馬さん(34)が出演。前売り2500円、当日3千円。詳細は同ホール【電話】045・662・1211。