小机小学校敷地内で3月21日、4年生児童によるオリーブ植樹が行われた。児童らが横浜市政策局や地域と協力しながら横浜産オリーブを育てて製品化を目指すもので、横浜市では初の取組みとなる。休耕地の活用や地域のつながり創出、地産地消による地域経済循環などの価値を生み出す横浜オリーブプロジェクトの一環。

同校では、地域の人と関わりながら竹の間伐材の有効利用など自然学習を行っている。また、農家の児童が多いこともあり同取組みが実施されることに。代表児童の柴田皐乙(さと)さん、金雨晨(きんうじん)さん、細井颯香(そよか)さんは「(栽培を通じ)調べたことを多くの人に伝えたい」などと決意を示した。児童83人は関係者に見守られる中、市内の公園や街路樹などの間伐材が原料で自然発酵の無機質堆肥「はまっ子ユーキ」を混ぜた土を根元にかけた。新年度からは5年生を対象に、SDGs教育の一環として総合的な学習の時間を軸に社会科等教科関連を図りつつ学習を深めていく。

横浜オリーブプロジェクトの構想が持ち上がったのは約7年前。休耕地などの課題解決のため、横浜市は、(一社)横浜資産研究開発機構などと協力してオリーブの栽培について研究を重ねてきた。オリーブは温暖な地で育てられることが多く、国内産地は香川県の小豆島が有名。小豆島町立池田小学校でもオリーブを育てている。気候変動の影響などで横浜市と小豆島の気候が似ており「オリーブが育つのでは」と考えられた。

神奈川大学サッカー部でもオリーブを育てており大森酉三郎監督が児童らを応援しに来校。大森監督は「オリーブの木の意味は『平和』。みんなで力を合わせて育てて、何粒できるかサッカー部と楽しく競争しよう」と話し児童らの意欲を搔き立てた。政策局共創推進課の関口昌幸さんは、「多様な主体が繋がりながら、CO₂削減や地産地消などを解決していきたい」と期待を込めた。

遠藤淳子校長は「机上学習のほか、(地域と)リアルで、(池田小と)オンラインで繋がり、子どもたちの産業への視野を広げていきたい」と思いを巡らせた。