世界的なギターコンクールで最高賞を受賞するなど国際的に活躍する市内多摩区出身のギタリスト、斎藤優貴さんが一時帰国し、3月12日に福田紀彦市長を表敬訪問した。

斎藤さんは5歳からクラシックギターを習い始め、村治昇氏など国内の著名な指導者やアーチストのもとで技術を磨いた。2016年からドイツの音楽大学に留学し、現在は同国のロベルト・シューマン・デュッセルドルフ音楽大学の修士課程に在籍。世界的なギタリストであるアレクサンダー=セルゲイ・ラミレス氏らに学び、海外のコンクールで計55回もの優勝や入賞経験を誇る。

今回の表敬訪問では市長応接室に自慢のギターを持参し、市長とあいさつを交わした後で作曲家ロドリーゴの「ソナタジョコーサ第三楽章アレグロ」を披露した。圧巻の演奏に、市長も「贅沢な時間だな」としばし言葉を失った様子だった。

市長から活躍の原点を尋ねられると、斎藤さんは、川崎市が04年から続ける「子どもの音楽の祭典」に小学5年の時に出場した際の思い出を語り、「ミューザ川崎のような大きくて輝かしい舞台で演奏できたことがとてもうれしかった。その後の演奏活動のモチベーションになった」と感謝を述べた。

今夏に修士課程を終えた後は拠点を日本に戻し、出張型サービスを意味する「アウトリーチ」に力を入れる予定という。「ギター1本で始められるので、子どもたちが音楽に触れる選択肢として、クラシックギターの魅力を伝えたい」と話していた。