鶴見警察署は3月29日、区内で特殊詐欺を未然に防止したとして都内在住の阪部全さん(23)に感謝状を贈呈した。

阪部さんは3月15日、矢向の路上で携帯電話をスピーカー状態にして電話をしている高齢女性を見かけた。聞こえてきた通話の内容から特殊詐欺の被害を疑い、即座に110番通報して詐欺防止に貢献した。

日頃から特殊詐欺に関するネットニュースなどを読んで、手口を知っていたという阪部さん。「被害を食い止めることができて良かった。周囲を見回している様子も引っ掛かり、通報できた」と語った。

同署の中西実署長は「日頃から特殊詐欺に問題意識を持ち、抑止につなげていただきありがたい」と感謝を述べた。

特殊詐欺に警戒を

今回の手口はオレオレ詐欺。犯人は長男を装い、不倫の示談金として150万円が必要と持ち掛けた。

鶴見区内では昨年62件の特殊詐欺被害が発生し、被害金額は約1億5800万円。その中でもオレオレ詐欺は22件と最も件数が多かった。同署では「特殊詐欺は身近に潜んでいる。『自分は大丈夫、騙されない』と過信せず、日頃から注意してほしい」と呼びかけている。