2023年10月に実証運行をスタートした、松田町を中心としたAIオンデマンド交通「のるーと足柄」の延べ利用者数が、3月20日で1万人となった。

「のるーと足柄」は、事前予約制の乗り合い交通。決まったダイヤやルートはなく、予約状況をAIが計算して最適なルートで運行する。

近年、地方都市の路線バスは少子高齢化の影響で利用者が減少。運転手不足といった課題も重なり、事業者が従来の本数を維持することが困難になっている。本数が減ると、時間の合わない利用者の移動はマイカー頼みとなり、さらにバス利用者が減るという循環が起きている。

これは松田町も同じで、既存の公共交通サービスが行き渡らない時間帯を補完する交通の在り方について検討が進められていた。こうした中、持続可能な地域公共交通の構築を目指して始まったのが「のるーと足柄」だ。23年10月から26年9月まで3年間を実証実験とし、本格運行に向けた検証を進めている。

運営主体の一般社団法人足柄オンデマンドは、利用登録から予約の流れをサポートする説明会や体験会を継続的に開いて認知に努めている。節目の利用者達成を町の担当者は「利用者数や登録者数は堅調に推移している」と話す。

本山博幸町長は「皆さまにご利用いただくことが、持続的な運行につながっていきますので、より多くの方にご利用くださいますよう、よろしくお願いいたします」と話している。

問い合わせは足柄オンデマンド【電話】0120・616・101。