4月1日付で栄消防署に着任した家田昌利新署長にインタビューを実施した。栄区民の防火、防災の意識向上を図るリーダーは災害などについて「まずは身の回りの危険予測をしてほしい」と語る。

青葉消防署副署長を2年間経験し、栄消防署の署長になった。消防士を目指すきっかけは高校2年生の時に経験した母親との死別。家のためにも早く独立しようと卒業後に横浜市消防局に入局した。戸塚区にある消防訓練センターで半年かけて基礎を学び、戸塚消防署勤務が消防人生のスタートだ。現在の栄消防署は旧戸塚区時代の本郷台消防出張所のため「土地勘はある」と話す。

栄署約130人のリーダーは「基本のABCをしっかりと行う」とし、当たり前(A)、馬鹿にしないで(B)、ちゃんとやる(C)を凡事徹底することを大切にする。「消火や救助などチームで動くので『心技体』が重要になる」と語る。

大隊長として指揮

元日に発生した能登半島地震では緊急消防援助隊神奈川県大隊の第二次派遣で大隊長として輪島市に出動。78隊280人の指揮を執った。「全員の命を預かる身として怪我なく一致団結することができた」と捜索活動などの任務を遂行した。

地震や台風など大規模災害の発生時に、まず大切な自助。家田新署長は「崖地や河川、道路など(栄区でも)住む場所によって周辺環境は違う。まずは自分の身の回りの危険予測が必要。平時から気を付けてほしい」と区民に訴える。