横浜市はこのほど、50年後の人口推計を公表した。市全体の人口は約2割減の301万3000人となる見通し。栄区は5万9000人(6万1000人減)と半減、港南区は12万4000人(9万1000人減)で4割減少すると推計した。

公表されたのは、2020年の国勢調査の結果を基準人口とし、70年までの横浜市の将来人口および世帯数を推計したもの。

公表されたデータによると栄区の人口は20年時点で12万192人。その後は毎年、減少を続け、30年に10万9255人となり、38年に9万8840人と10万人を割る。69年に5万9863人と半減し、50年後の70年には5万8659人と20年時点と比べると48・8%と半分以下になる。市内18区で見ると一番少ない人口となる見込みだ。

70年の5万8659人のうち、0〜14歳が5311人(9・1%)、15〜64歳は2万6673人(45・5%)、65〜74歳は8298人(14・1%)、75歳以上は1万8377人(31・3%)となっており約半数が高齢者となる。

12万人台に

港南区の人口は20年時点で21万5247人。その後は毎年、減少し、30年に20万2266人となる。その2年後に19万8994人と20万人を割る。70年には12万4420人で20年時点と比べると57・8%と4割以上人口が減少する。市内18区で6番目に少ない人口規模となる見込みだ。

70年の12万4420人のうち、0〜14歳が1万834人(8・7%)、15〜64歳は5万9453人(47・8%)、65〜74歳は1万7954人(14・4%)、75歳以上は3万6179人(29・1%)となっており高齢者が4割以上になる推計が発表された。

横浜市全体の人口は21年の377万9000人をピークに、減少状態に入っており、3年連続で減少している。

各区を見ても港南区、栄区以外の市内16区のうち11区で減少すると推計。20年の人口を上回るのは、中区、西区、鶴見区、神奈川区、港北区の5区のみだ。

市担当者は「(人口推計は)あくまでもこれまでの人口動態を将来に投影させた数字。開発などの社会的事象は考慮されていない。推計を今後の対策に生かしていければ」と話している。

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※将来推計人口…出生、死亡、転入・転出について、実績値の動向をもとに仮定を設け、将来の人口規模、男女・年齢構成の推移について推計を行ったもの。