ウクライナの避難民と地域住民との繋がりを作ろうと、旭区鶴ヶ峰で自家焙煎珈琲店「陽のあたる道」を営む犬飼康雄さんが主催した「ウクライナを知る会」が4月8日に同地域で開かれた。(公財)横浜YMCAに所属するポプロジュク・カテリーナさんとゴルロ・リリアさんが故郷の話や避難の経緯、現在の心境などをスピーチ。来場者からは日本の印象や文化の違いなどに関する質問があり、交流を深めた。

直接出会う機会に

犬飼さんはウクライナからの避難者を支援するため、店舗内に募金箱を設置したほか、同国の国旗をモチーフにしたシフォンケーキを販売。その売り上げの半額を募金に加えて、横浜市や横浜YMCAに寄付してきた。

知る会については、「募金に協力してくださるお客様と、避難された方が接することで、ウクライナについて考える時間を作りたい」と発案。横浜YMCAを通じて、2人に講演を依頼した。

心境を語る

カテリーナさんとリリアさんは、ロシアがウクライナへの軍事侵攻を始めた2022年に日本に避難。現在は横浜YMCAに所属し、同国出身者のためのイベント企画やワークショップ、講演会などさまざまな活動に取り組んでいる。

知る会が始まると、カテリーナさんとリリアさんは「当初は現実を受け止めることができなかった。自身と家族が戦争によって受けた影響について話すのはつらい事」、「友人のほとんどは職を失い、家を壊された。将来への不安を抱えている人も多い」と心境を話し、来日後の思い出などを参加者たちにスピーチ。また、日本の暮らしについて「言葉や習慣を理解することに苦労した」と振り返った。

現在も侵攻を受けている母国に思いをはせた2人は「今後は自分にとっての新しいチャンスを見つけていきたい」、「世界をよくするためにこれからの時間を使いたい」と目標を語った。交流会では、参加者から「日本や日本人に対しての印象」など質問が寄せられた。2人は「日本人は親切で礼儀正しく、勤勉。いつも助けてくれるので、この国で生きるのは気持ちが良いです」と、思いを述べた。

犬飼さんは「参加した方が、これからもウクライナに思いを寄せてくれたら」と思いを語った。藤沢市から参加した糸山喜孝さんは「2人の話を聞いて、平和がいかに大切なのか実感した。これからも、繋がっていきたい」と話した。