子どもたちのため、田名に再び鯉のぼりを――。田名幼稚園(水郷田名)の保護者による有志団体「おやじの会」が4月27日から5月5日まで、子どもたちの作った鯉のぼりの展示イベント「よみがえれこいのぼり相模川」を行う。会場は田名八幡宮近くの水路。

GW中の相模原の風物詩として30年以上親しまれてきた「泳げ鯉のぼり相模川」。約1200匹の鯉のぼりが青空を泳ぐ様子は圧巻で、市を代表する観光行事の一つとして2016年には延べ50万人が来場。19年を最後に、資機材の老朽化やその補修にかかる負担、担い手不足などの理由から幕を閉じた。

同会の篠崎孝之会長は「両親や親戚とバーベキューをしたり、屋台がたくさん出ていたりとたくさん思い出がある。なくなってさみしい思いがあった」と話す。

時代の変化によって、鯉のぼりを飾る家も減少した。そのような中、篠崎さんは「子どもたちのため、前のような鯉のぼりをできないか」と考える。しかし、以前のような規模で開催するのは「とてつもなく大変」だとわかった。そこでまずは、近所の水路に鯉のぼりを設置することに。

開催を決めてからは、賛同する保護者と園児たちが中心となり、春休みに鯉のぼりを制作。絵の具やペンで描いたり、ペットボトルで作ったりと思い思いの鯉のぼりができあがった。

同会の竹田望稔さんは「これがきっかけで地域に広がっていって、またやろうという人が増えたらいいなと思っている」と熱を込める。篠崎さんの妻・ケイ子さんも「かつての鯉のぼりと同じように、とにかく子どもたちに喜んでほしい。時代が変わってやり方は変わるかもしれないけれど、みんなが無理なく続けていける方法を見つけていきたい」と話している。

イベントに関する問い合わせは同園【電話】042・761・1606へ。