スルガ銀行が相模原市のサイクルツーリズムを強力に後押し--。相模原市は4月18日、自転車振興に関するパートナーシップ協定を静岡県に本社を置くスルガ銀行(株)と締結した。同行が市内のサイクリングモデルコースについて情報発信するシティプロモーションを実施するほか、モデルコースをPRするイベントを開催するという。

全国の自治体で現在、地域活性化の1つとして自転車で観光地を巡る「サイクルツーリズム」の取組が広がっている。

相模原市は東京2020オリンピックの自転車ロードレース競技のコースに選ばれたことを契機に、オリンピックレガシーとしてサイクルツーリズムを推進することを決定。第3次相模原市観光振興計画や相模原市自転車活用推進計画、相模原市スポーツ推進計画で関連する事業を推進していくことを位置付けている。特に緑区は首都圏から程良い距離にありながら豊かな自然を楽しめるとあって多くの自転車愛好家が訪れている。

自転車ローン初の金融機関

スルガ銀行は2011年、全国の金融機関としては初めてロードバイク購入ローンを商品化。多くの自転車愛好家に利用されたことから、自転車振興の取組に積極的に乗り出すようになったという。現在では専門部署「サイクリングプロジェクト」を設置し、自治体と連携した自転車振興の取組を進めている。神奈川県内では藤沢市や横須賀市などと協定を結んでおり、相模原市は県内の自治体としては6例目。

SNSで魅力発信

今回の相模原市との協定で実施されるシティプロモーションの取組ではSNSを活用して市内の6つのモデルコースを紹介する。相模原ならではの風景を交えて自転車だからこそ立ち寄れるスポットや地域のおすすめ店なども紹介し、地元の飲食業やサービス業のPRにもつなげる。発信した内容はスルガ銀行のWeb記事にまとめ、SNSで継続的に拡散していくという。

また7月と11月には一般から参加者を募ってモデルコースを走るイベントを行う計画。コース上のスポットでSNSを活用して現地から生の声を発信し、相模原市のサイクリング環境の魅力を伝える。

協定の締結式に出席した同行代表取締役専務執行役員コミュニティバンク本部長の戸谷友樹さんは「サイクルツーリズム推進によって地域活力の向上につながるものと信じている。この協定を通じて自転車に携わる皆さんや相模原市との連携を深め、これまでにないスタイルで地域活性化と交流人口の拡大に努めていきたい」と話した。

本村賢太郎市長は「こうした協定を結ぶことができてよかった。オリンピックのレガシーを生かし、ツアーオブジャパンの誘致に成功した。自転車のまちとして多くの人に訪れてもらい、相模原の素晴らしい自然を知ってもらいたい」などと話した。