市立西谷中学校の同窓会(三村利明会長)が20年ほど前から後輩たちのために支援金を集めて学校に贈る取り組みで、4月23日、役員3人が学校を訪れ、仁平浩史校長に昨年度、集まった寄付金を届けた。同窓会が継続的にこうした寄付を行うケースは珍しく、三村会長は「細く長く続けていくことが我々のテーマ。今年も在校生にとって役立つ形で使っていただければ」と話した。

同校は1959年(昭和34年)に保土ケ谷中学校西谷分校として設置され、3年後の62年(同37年)に西谷中学校として独立・開校した。三村会長は「帷子川沿いから学校へ延びる坂道は当時、赤土だった。雨が降れば教員と生徒に地元住民も加わり『道普請』となり、整備に汗を流した。自分、子ども、孫と、3世代に渡り西谷中生という家庭も多い地域性もあり『母校に対する思い』は強い」と語る。

卒業生は各期で同窓会が組織され、旧友との再会を毎年楽しんでいるという。この同窓会の場で「在校生のために」と支援金を募るのが長年の習わしだ。各期の同窓会会場で集められた在校生への思いをまとめ、年に一度、春先に支援金を届けている。

コロナ禍でも途切らせず

20年ほど前、当時の校長から「部活動の遠征費がない。力を貸してもらえないか」と相談を受けた。この時から各期の同窓会会場で支援を呼び掛ける伝統がスタート。行動が制限されたコロナ禍では同窓会を開催することができなかったが、会の運営資金を切り崩しながら、支援金を届ける活動を続けてきたという。

学ラン姿で「役立てて」

この日、数十年前、この学び舎に通った当時と同じ学ラン姿で支援金を仁平校長に手渡した三村会長らは「『口は出さず金は出す』。これが、我々のポリシー。生徒にとって役に立つ形で使ってもらえれば」と話した。一方、歴代卒業生たちの後輩たちへの思いを受け取った仁平校長は「子どもたちが喜ぶ形で使わせていただけば。しっかり検討させていただきたい」とした。

永続的な活動鍵は世代拡大

1期生の三村会長は今年77歳になる年。同窓会を定期的に開いているのは15期くらいまでの卒業生だという。支援金の呼び掛けは、この世代の同窓会の場で行われていることになる。在校生を支える活動を永続的にしていきたいと思案する同窓会役員は「活動世代の幅を広げたい」と話す。