例年この時季に見ごろを迎えるハマヒルガオ。柳島海岸で、ハマヒルガオの咲く浜の風景を守ろうと活動を続ける人たちがいる。

その中の一人が、鈴野寛子さん(75)。9年前、横浜から茅ヶ崎へ移住。しかしほどなくして夫が他界し「毎日泣いて過ごしていた」という。

そんな折に散歩で訪れた柳島海岸で、毎朝ラジオ体操が行われていることを知る。体操には60代から90代まで、30人ほどが集まっており、参加者同士が朝採れの作物を配ったり、コーヒーを淹れてきたり、コーラスの練習まで行われているなど、交流の場にもなっている。

ほどなく入会した鈴野さんは当時を「海を前に早朝から体を動かすのはすがすがしく、プライベートでの付き合いもできた。いつしか悲しんでいる暇もないくらい忙しくなった」と振り返る。

やがて体操が行われる海岸が雑草に覆われていることが気になるように。「私たちの手できれいにしよう」と草刈りや雑草抜きを始めると、有志も活動に加わり、ラジオ体操の始まる6時前から毎日のように草を刈り、ハマヒルガオなどの海浜植物を保護する活動を続けている。

海岸一面に広がるハマヒルガオを前に鈴野さんは「見ごろは連休中。ぜひみなさんにもみてもらえれば」と話した。