小田原市江之浦のミカン農家「八木下農園」が4月3日、地元産の食材を通して地域の魅力を発信しようと、「令和の小田原大茶会」を催した。会場は江之浦のパン屋「麦踏」。ここは小田原合戦の際に、豊臣秀吉や千利休が徳川家康ら諸将をもてなしたとされる「天正庵」の跡地だ。

八木下農園の八木下修平さんが、麦踏のほか神楽坂のスイーツ店「VERT」や秦野の「高梨茶園」に企画を提案し、コラボイベントが実現した。4部制で地元や県外から約30人が参加した。

八木下農園で取れた「不知火」や「ブラッドオレンジ」をVERTが羊かんやパフェなどのスイーツに仕立て、高梨茶園の手もみ茶や和紅茶とのペアリングを提案。参加者らは「お茶に旨味があって昆布出汁のよう」、「初めての体験で価値観が変わる」、「生産者の人から直接、食材や製法について話を聞けて興味深い」など、地産地消の美食を堪能していた。八木下さんは「地元の食材で地域を盛り上げたいという思いで企画した。春夏秋冬で開催して、それぞれの旬の食材の魅力を伝えていければ。江之浦に足を運ぶきっかけにもしてほしい」と今後にかける思いを語った。