市内38校の市立中学校と義務教育学校などで、台湾・高雄市の特産品「金鑚(きんさん)パイナップル」が、給食の献立として5月9日から10日にかけて提供された。

八王子と台湾の市民交流を推進する「NPO法人八王子・台湾友好交流協会」(黒須隆一理事長)から、台湾産パイナップル約1300kg(約765個)の寄贈を受けた市が実施したもの。給食を通じて台湾の魅力を知り関心を高めてもらおうと、現地で親しまれている献立と一緒に提供された。

八王子市と高雄市は海外友好交流都市として、双方の祭りへの出演や学生の派遣などの相互交流を続けている。同協会からの金鑚パインの寄贈は、昨年に続き2回目。黒須理事長は「おいしいパイナップルを食べて、台湾や高雄市に興味をもってもらえれば」と期待を寄せる。

食で興味深めて

パイナップルは、砂糖と白ワインで煮た「コンポート」に。これに甘辛く煮た豚肉をご飯にかけた「ルーローハン」、卵スープの「タンファータン」といった台湾の定番料理が並んだ。

元本郷町の第四中学校(生徒数248人、北川大樹校長)では、9日にこの給食を提供。青少年海外派遣団員として昨年12月に高雄市を訪れた第五中の生徒の体験記が校内に貼りだされたほか、給食中には高雄市のプロモーションビデオを流すなど、文化理解が図られた。金鑚パインを食べた井上和士さん(3年)は「甘くておいしい」と絶賛、生徒会長の池田理紗さん(同)は「台湾東部沖地震の募金活動をしたこともあり、給食を通じて、より台湾に興味を持った。これから交流の機会が増えればうれしい」と話した。

給食後には、台湾メディアや生産者らに向けたビデオメッセージを収録。カメラに向かって感謝と友好の言葉を伝え、笑顔で手を振った。

市学校給食課は「昨年はパインだけを提供したが、今回は台湾の食文化も知ってもらえればと現地の料理を再現した。高雄市との友好交流を深めるきっかけになれば」と思いを込める。