茅ヶ崎市は今年度から、神奈川県警察や関係団体と連携し、市立小学校で行う交通安全教室に実際の自転車を使用したプログラムを導入した。市は今年度中の策定を予定している「第3次ちがさき自転車プラン」の中でも「利用ルールの徹底」を掲げており、マナー向上により事故を減少させていきたい考え。

市は毎年、交通安全協会(佐藤たゑ子会長)や茅ケ崎警察署(奈良英俊署長)と連携して、市立小学校全校の3年生を対象に、交通安全教室を実施している。

今宿小学校で5月10日に開催された教室では、同署員が「自転車安全利用五則」についての講話を行った後、児童たちは校庭に描かれた道路を使って、一時停止など交通法規を守った運転を、自転車に乗車して体験した。こうした取り組みは今年度から導入されたもの。交通安全協会の佐藤会長は「教室は1回で終わりでなく、継続的に展開し、家庭での意識啓発にもつなげていけたら」と話す。

一昨年、市内で発生した自転車が関係する人身事故は140件。全人身交通事故の36%を占めており、県内平均値(25・6%)を大幅に上回っている。市安全対策課長は「茅ヶ崎は地形的な条件から多くの市民が自転車を利用しており、関係する事故の割合も高止まりしている」とする。

一方で茅ケ崎署の調べでは、昨年4月に「努力義務」となったヘルメットの着用率は、依然として10%を下回っているという。

自転車プラン策定へ

市は、自転車に関する取り組みを総合的に進めるため「第3次ちがさき自転車プラン」の今年度内策定に向けた作業を進めている。

プランは地域特性に合った移動手段として自転車の利用を促進し、健康増進や環境負荷の軽減を目指すもの。そのなかでは、利用ルールの徹底など自転車安全教育の拡大も掲げており、今後は小学生が学区内の危険な交差点などに、自分たちがデザインしたステッカーを路面に貼る「オリジナル『自転車止まれ』ステッカー大作戦!」も予定している。