小田原市根府川の白糸川の散水施設そばに設置されていた水神の石碑を4月17日、地元自治会と有志が白糸川最上流部の第一水源地そばに移動させた。

同石碑は、もともとは白糸川に合流する萩ノ尾川の萩野尾橋のふもとに建立されていたもの。昭和初期まで、かけ流しの生活用水として利用され、地域では「水神さん」として親しまれてきた。毎年1月15日には石碑前で水の恵みに感謝する宴も開かれてきたという。水道設備が整った1955年以降は石碑のみが残り、白糸川に散水施設ができたことから石碑を移動。その施設も15年ほど前に廃止され、石碑はクマザサの中に埋もれてしまっていた。

数年前から地元住人たちから「子どもの頃は水神さんの宴が楽しみのひとつだった。このままではかわいそう」という声があがり、自治会と有志が協力し、水が湧く根府川第一水源地のそばへ石碑を安置。松原神社から神職を招き、神事も執り行った。

有志の一人、内田昭光さん(83)は、「ずっと埋もれていた水神さんを皆さんの目にふれる場所へ移動することができ、心安らぐ思いです」と話している。