厚木市教育委員会は5月7日、市内小・中学校の適正規模・適正配置について、方策の方向性がまとまったと発表した。児童・生徒数の減少により将来6学級以下が見込まれる市内小・中学校10校を対象とするもので、統合と小規模特認校制度の2つで進める考え。3年後をめどに方策を決定するとし、更に地域と話し合いを進めていく。

厚木市内の児童・生徒数は1985年度の2万8568人をピークに減少し、2023年度にはピーク時の約44%減の1万6085人となっている。市の推計では、32年度には1万2613人と更なる減少が見込まれているという。

市教育委員会は21年度に、適正規模を1学年あたり小学校2〜4学級・中学校3〜6学級、適正配置を通学時間が小学校45分以内(約3Km)・中学校1時間以内(約4Km)とする基本方針を示している。23年9月の方向性案では、32年度に学校全体で6学級以下が見込まれる荻野・鳶尾・上荻野・飯山・玉川・相川・森の里の7小学校と、小鮎・東名・森の里の3中学校の計10校が方策の対象とされた。

意見交換を経て決定

市教育委員会では、方向性案に基づき、昨年10月から11月にかけて、統合がベースとなる5地区で計10回の意見交換会を実施。取り組みの考えや進め方、教育環境や通学などが報告され、163件の意見を集まり、4月23日の教育委員会定例会で方向性が決定。方向性案が概ねで採用された。

4校が統合へ

通学区域の再編成を伴う方策が進められるのは、荻野小、鳶尾小、上荻野小、飯山小の4校。

荻野小・鳶尾小・上荻野小は1校または2校に統合。今年度中に統合先の敷地や時期を定めるために検討が進められる。

飯山小は33年度以降に小鮎小に統合する方向で取り組みが進められるほか、小中一貫校の観点も踏まえ、新しい学校づくりが進められる。

小鮎中、玉川小、森の里小、森の里中、東名中、相川小は通学区域性の弾力的な運用として、小規模特認校制度や学校選択制が活用される。

意見交換会では通学関係の心配も多くあり、市教育委員会では「スクールバスの導入なども検討しています。小規模特認校の特色づくりなども必要性を考え、将来にわたってより良い学習環境となるように地域との方々と検討していきたい」としている。