宮前区役所等の移転後の施設・用地の活用について、川崎市はこのほど、昨年度実施した市民検討ワークショップの結果を公表した。今年度中に現施設・用地の活用に関する基本的な考え方を取りまとめる方針だ。

市は、民間事業者による再開発の機会を捉え、区役所・市民館・図書館を鷺沼駅周辺に移転・整備する。これに伴い、昨年度、移転後の施設・用地の活用について検討する市民参加型のワークショップを実施した。

基本方針の策定へ

ワークショップの開催は、さまざまな立場・年代の区民の視点から「宮前区全体と周辺エリアの将来を見据えた課題・ニーズの整理」を行い、「施設・用地の活用のアイデア」を出し合うことで、「(仮称)宮前区役所等施設・用地の活用に関する基本方針」の策定につなげる狙いがある。

無作為抽出と公募を併用して集まった小学5年生以上の区民48人は、6班に分かれ、昨年11月から今年3月にかけて4回のワークショップで検討を重ねてきた。第1回は「宮前区全体と周辺エリアの将来を想像しよう!」をテーマに議論。第2回は、第1回の将来イメージを踏まえて必要な機能のアイデアを出し合った。第3回は、現区役所等の施設・用地で、どのようにしたら実践できるかを検証し、最終回では「子ども」「インクルーシブ」「防災」などをキーワードに、班ごとにアイデアをまとめ、参加者同士で意見交換を行った。

参加者からは「多様性の時代を生きる未来を話し合うことができた」「市民参加の流れを継続してほしい」などの感想が聞かれた。

市は今後、活用基本方針の策定に向け、ワークショップの結果などを生かしながら、段階的に活用の考え方を取りまとめていく予定。これまでの取り組みや結果は、市ウェブサイトや区役所に配架している「ニュースレター」で見られる。