藤沢市内で発生した交通事故のデータを可視化し、防止につなげる「交通事故発生マップ」がこのほど完成し、17日、藤沢市役所で報告会が行われた。2021〜23年に藤沢警察署、藤沢北警察署が扱った人身事故の発生場所や概要を地図上に表示。当事者の受傷状況や事故状況の絞り込みも可能で、市は今後、データを分析し、危険箇所を検証するとともに交通安全の啓発に役立てたい考えだ。

マップは市と18年7月に包括連携協定を締結した東京海上日動火災保険(株)神奈川支店(横浜市西区)が作成。2月1日に同社、市、藤沢・藤沢北署の4者間で交わした交通安全事業に関する協定に基づいて両署がデータを提供した。

両署によると、市内では21年からの3年間に3233件の人身事故が発生。マップではこれらを「自動車と歩行者」「バイク同士」など事故状況が一目で分かるようアイコン化し、カーソルを合わせると発生日や住所、当事者の受傷状況(軽傷・重傷・死亡・不明)を表示。「車両相互-追突進行中」など類型や発生時の天気も知ることもできる。

事故が多い場所は数字で回数を表記し、受傷状況に応じて青・黄・赤で色分け。絞り込みでは自転車に限るなど、特定事故の表示機能も備えた。

同社が作成する交通事故マップとしては最大のデータ量で、行政区内の全ての人身事故を反映させるのは初という。今後は半年に1度の頻度でデータを更新し、交通安全教室や研修などで交通事故の防止に役立ててもらう。

報告会で鈴木恒夫市長は「見た目に分かりやすく、危険な場所を子どもたちに教える効果が期待できる。市としても多くの市民に活用してもらえるよう啓発していきたい」と述べた。

マップはパソコン版とスマートフォン版があり、いずれも無料で使用できる。閲覧は市ホームページかサイト(「藤沢市交通事故発生マップ」で検索)へ。