今国会での改正子ども・子育て支援法の成立など、行政では子育て支援制度等の整備が進められている一方、民間による託児、フードバンクなどの取組も行政の手が届かない隙間の支援として重要となっている。活動の担い手不足が課題とされている中、市内団体では学生がボランティアとして参加する事例が増えている。

地場産野菜カレー提供

池上で地域の子どもに朝夕の食事の提供を行っている「よこすかなかながや」は6月22日、小中学生を対象とした「池上子ども食堂」を介護施設「スマイル池上」で開いた。「子ども同士が集う楽しい居場所」を目指し昨年から準備を進めていた取り組みで、当日は近隣から23人が集まった。

提供された「スマイルカレー」の調理は県立保健福祉大学の食育サークル「シーラボ☆」が担当。「地元で採れた栄養豊富な野菜を食べてほしい」との想いから三浦半島産の玉ねぎや人参などをふんだんに使ったメニューを考案した。

会場での受付や配膳には三浦学苑高校の生徒有志が参加。同団体からの寄付や支援に助けられたという生徒の一人は、「なかながやへの恩返しと子どもたちの笑顔のため、これからは助ける側としてボランティアに関わっていきたい」と意欲を見せた。同食堂は7月以降、月一回の開催を目指すとしている。

勉強と心のケアを両立

経済的・環境的事情から塾に通えない子どもを対象に基礎学力の定着・受験対策を無償で行っている「よこすか地域未来塾」。大学生が有償ボランティアで講師を務めており、小学生から高校生まで20人の生徒が通学している。

講師のまとめ役・鈴木優佳さん(県立保健福祉大2年)は開塾した昨年9月から創設メンバーとして参加。「会話が苦手の子などの対応に身構える部分もあったが、生徒はみんな素直な子たちで元気をもらえる」とやりがいを語る。その一方、不登校など複雑な事情を抱えた生徒もいることから「勉強のほか、家庭や学校での悩みを相談してくれたら」と同塾を「第3の居場所」として精神面のケアにも力を入れる。

運営はNPO法人「ひとり親サポーターズひまわり」。三春町の介護施設「スマイルデイサービス彩歳」で毎週月曜日午後6時30分から。生徒・講師の申し込みは【携帯電話】070・6635・7365(佐藤さん)