相模原市にゆかりのある細菌学者、北里柴三郎の肖像がデザインされた新千円札が7月3日に発行された。北里柴三郎は破傷風の治療法を確立して予防医学の先駆者として知られ、南区にキャンパスを構える北里大学の学祖であり、南区の「北里」の町名の由来とされる。北里大学構内の売店では「北里柴三郎先生グッズ」が販売され、金融機関ではイベントを企画するなど、市内各所でお祝いムードが高まっている。

タオル、クッション、せんべい--。北里大学構内の売店ではさまざまな「北里柴三郎先生グッズ」がずらりと並ぶ。グッズづくりを手掛けたのは売店を運営する学校法人北里研究所の関連企業「北里ライフサービス株式会社」のスタッフで、このタイミングでの販売に合わせ2021年から活動をしてきた。6種類のグッズが完成し、先行して一部を昨年秋の大学学園祭で販売したところ、好評を博したという。

同社保険事業部次長の金田純子さんは「この機会に柴三郎先生のことはもちろん、北里のことももっと知ってもらい地域が盛り上がれば」と期待する。

地域経済に期待も

北里大学周辺の飲食店「味噌ノ頂」「とろけるハンバーグ福よし古淵店」「火山岩焼肉はうす・栖」では、新紙幣にちなんだキャンペーンを期間限定で実施している。

相模原市と包括連携協定を結ぶ金融機関と連携し、シビックプライドの醸成につながる取組も実施した。

きらぼし銀行相模原センタービル1階では発行日前日の2日から発行当日の3日にかけて北里柴三郎に関するパネル展示を相模原市と連携して開催した。新千円札の見本や北里柴三郎グッズも展示され、お祝いムードを盛り上げた。

あす5日には清新小学校で北里柴三郎の功績と横浜銀行によるお金について学ぶ特別授業が開かれる予定。