国内で生産されたワインのみを扱う「日本葡萄館」(登録商標)が南区南吉田町に今春、オープンした。産地域によって違った表情を見せる日本ワインの魅力を紹介し、発信している。

「日本ワイン」とは、日本国内で栽培されたブドウのみを原料とし、国内で生産されたもの。現在、国内のワイナリーは約500場で年々増加傾向にある。同店は100場を超えるワイナリーから約330種の日本ワインを提供している。

運営する横浜君嶋屋は創業1892年で、日本酒や焼酎、ワインを扱う老舗の酒販店だ。4代目の君嶋哲至代表は店名の由来を、「還暦ライブを日本武道館でしたかったからね」と笑う。世界中のワインを扱う中で、「かつては日本の1本を勧めるのはジレンマがあった」という君嶋代表。だが、ここ10年で、作り手の土壌研究や品種改良などが進み、日本ワインは飛躍的にレベルアップした。「今なら自信をもって勧められる」と話す。

店内では常時6〜8種の有料テイスティングが楽しめる。また、「日本の農業や畜産業を大切にしたい」という思いから、自らセレクトした国産にこだわったつまみも用意している。「日本ワインに相性がいいのは、やはり繊細な日本料理。出汁や家庭料理、アジア料理と合わせると本領が発揮できる」と話した。