鎌倉市は資源循環サービスを提供する(株)ECOMMIT(エコミット/鹿児島県薩摩川内市)と連携し、6月25日からリユースを促進する雑貨回収をスタートした。実証実験として、市役所などに回収ボックスを設置。市は、まだ使えるものを捨てずに有効活用することで、ごみ焼却量減少への意識醸成と、循環型社会の推進につなげたい考えだ。実証実験期間は来年3月までを予定し、期間内の状況を見ながら効果を検証していく。

実証実験の開始に合わせ、市役所本庁舎1階の正面入口横に設置されたのは、エコミットが提供する雑貨回収ボックス「PASSTO(パスト)」。自治体による雑貨リユースを目的としたパストの設置は、鎌倉市が初の事例となる。

回収対象は、フィギュアやブロックなどのホビー雑貨、帽子やカバンといったファッション雑貨。パソコンのキーボードやマウスなども、破損や目立った汚れのないものなら対象となる。回収ボックスに市民から投函された雑貨は、エコミットが運営する循環センターへ運ばれ、選別される。状態の良いものは、繰り返し使用するリユース品としてインターネットやリサイクルショップで売却。一方、リユースが難しいものは、原料に戻したり、用途を変えたりしてリサイクルする。

良い状態で集め廃棄にまわさず

市内では現在、使わなくなった雑貨はごみ集積所(クリーンステーション)を通じて有料袋のごみで出したり、素材によっては月1回しか排出機会がなかったりする物もある。

担当の市環境センターは回収ボックス導入の狙いについて、「無料で回収し、排出機会を増やすことで市民の利便性を高めたい」。また、屋外のごみ集積所で他のごみと混ざって回収するのに比べ、「よりきれいな状態で集めることができ、焼却ではなく、リユースされやすくなる」と期待を寄せる。

回収ボックスへの投函は、市役所開庁時であればいつでも可。市役所に加え、8月頃までに支所や公共施設に増設予定。市担当者は「リユースを体感してもらうことで、使えるものを大切にし、その結果としてごみの発生抑制につながっていけばいい」と話す。