重要事項を決定する、新規事業を検討する、進捗を報告する……。会社や組織にとって「会議」は不可欠なものである。しかし一方で、自社の会議が非効率・非生産的であると感じている方も多いだろう。アマゾンジャパンの立ち上げメンバーであり、『amazonのすごい会議』(東洋経済新報社)を上梓した筆者が、アマゾンで学んだ「会議を成功させる資料作りの考え方」を紹介する。

アマゾンの会議資料のルールは変わっている

会議には資料が付き物です。1枚の資料もなく、ただ人だけが集まって議論されるような会議はあまり想像できません。

また、仮にそのような会議が行われたとしても、会議の有効性や生産性は、まず期待できないでしょう。

資料がなければ、議論のテーマや目的、前提となるデータや諸条件を参加者で正しく共有することができません。

そのような状態で議論を重ねても、単に「みんなで集まって話し合いました」というアリバイ作りにしかならないでしょう。

会議に資料は不可欠です。そして、よい会議は「よい会議資料」から生まれるのです。

さて、よくある会議資料として見受けられるのが、「パワーポイント」に「箇条書き」で要点を書き込んだものです。それをプロジェクターで映しながら説明を加えるというプレゼンは、説明する側も資料作成が簡便で、聞く側もよく整理された内容を聞けるということで、非常に多くの企業や団体で行われていると思います。

しかしアマゾンでは、「パワーポイント」や「箇条書き」の会議資料を見ることはほとんどありません。なぜならアマゾンでは、会議の資料は「文章(ナレーティブ)形式で書く」というルールがあるからです。通常「ワード」で作成されることが多く、印刷され会議時に配布されます。あの最先端デジタル企業で、文章形式の資料が多用されているというのは少し意外な話かもしれません。

しかもこの資料は通常、会議前もしくは会議時に配布されるのですが、参加者は必ずしも前もって読み込んでくることは期待されていません。なぜならば「その場で読んですぐに理解できる文章を書く」ことが資料作成の必須条件となっているからです。