先日、仕事で英会話教材を作成していたときのこと。「プチプチ」(空気の入った円柱状の突起が並んだビニールの緩衝材)を登場させたのですが、筆者は「プチプチ」を英語ではbubble wrapと呼んでおり、そのまま記載しました。

ところがそれを見た同僚のジョン先生に、「この単語は商標名だから、使うなら大文字でBubble Wrapにしないとダメだよ!」と言われてビックリ。

それなら今後は正確に──と思ったものの、はて? 「プチプチ」って英語で正式にはなんて言うの?

今回は、英語で普通名称のように使用されている商標を取り上げてみます。ネイティブも気づかずに商標を使っていることが多いので、知っておくと盛り上がるかもしれませんよ。

「サニーレタス」は商標登録できず

ジョンに「What’s the generic name for Bubble Wrap?(『バブルラップ』の普通名称って何?)」と尋ねてみるとinflated cushioningとのこと。えー、そんなの一度も聞いたことない! ネイティブも普段はBubble Wrapと呼んでしまうそうで、よほど正式な文章などで目にしないかぎりは触れることがない表現です。

実はこのように日頃よく使っている表現が、商品名であるケースは多くあります。中にはもともとは商標だったにもかかわらず、あまりにも普通名称として使われてしまったことで裁判所や特許庁から「普通名詞化した」と判断されて商標権が消滅しているものもあれば、もともと商標登録されていなかったもの、商標権が放棄されたものなどもあるようです。日本では「サニーレタス」や「ホームシアター」「ホッチキス」などがこれにあたるとのこと。

ちまたでは、「サニーレタス」の名前の由来は、当時人気だった自動車「日産サニー」にあやかって、みんなに愛されるように「サニーレタス」と名付けたという説もあるようです。ところが、タキイ種苗出版部の『園芸新知識』2002年6月号に、「サニーレタス」を日本に普及させた朝倉昭吉さんのインタビュー記事があり、そこでは「『太陽の恵みを全葉に受けて赤色がきれいに出るレタス』というイメージで、サニー(sunny:太陽の)レタスと名付けた」と語っていたようです。

「サニーレタス」は、1982年(昭和57年)に商標登録出願されたそうですが、1985年(昭和60年)に特許庁により普通名称であると却下されたそうです。特許庁のサイトによると、「『サニーレタス』は、レタスの普通名称であり、自他商品の識別標識とは認識しえない」(昭和60年8月6日 昭和57年審判第2936号)とのことです。あまりにも広まって普通名称として使用されてしまうと、商標登録できないんですね……。