そうやって悩んで結論を出そうとすること自体が、子どもにとっては数学を使ってものを考える習慣となり、数学に興味を持てるようになるのです。

レストランでも同じことが言えます。例えば、親子2人でレストランに入ったとします。そこでは前菜、ピザ、パスタ、ドリンクがすべて1品500円(税抜き)です。

その一方で、コースを選ぶこともできます。2時間飲み放題付き3000円(税込み)で、前菜からピザやパスタまで出てくるコースです。

なお、アラカルトで頼む場合、1人あたり300円(税抜き)のチャージ料金がかかります。

コースとアラカルト、どちらがお得?

そのときに、子どもに「コースとアラカルト、どちらのほうがお得だろう?」と聞いてみるのです。子どもに計算してもらい、どちらがお得になるかを考えてもらうのです。

「飲み放題2人分で6000円なので、500円のメニューが12品頼める」とつい思ってしまいます。

しかし、この計算は、一見正しいように見えて間違っています。なぜなら、アラカルトにはチャージ料金が発生するからです。

また500円という料金も、細かく見ると「税抜き」で書かれているため、実際にはイートインの税率である10%が加算されて550円となるのです。

この2つの情報を踏まえて、改めて頼める品数を考えてみると、以下の通りになります。

・8品(1人4品)頼んだ場合
(300円×1.1)× 2 + (500円×1.1)× 8 = 5060 円
・10品(1人5品)頼んだ場合
(300円×1.1)× 2 + (500円×1.1)× 10 = 6160 円
・12品(1人6品)頼んだ場合
(300円×1.1)× 2 + (500円×1.1)× 12 = 7260 円

このように考えてみると、2人でコースを頼んだ場合は税込み3000円×2人=6000円ですから、10品以上アラカルトで注文するよりも、コースのほうがいい、ということがわかります。