トヨタ「アルファード」と「ヴェルファイア」は、機能や装備は共通で、フロントマスクなど一部のデザインやグレード名が異なる姉妹車だ。

以前は、アルファードがトヨペット店、ヴェルファイアがネッツ店で販売されていたが、2020年5月の「全店全車種併売」により、どの系列店でも購入できるようになった。すると、基本的に同じクルマであるにもかかわらず、両車の売れ行きに大きな差が生じた。

2020年7月のアルファードの登録台数は、8448台だった。売れ筋の価格帯が400万〜550万円の高価格車だが、小型/普通車販売(登録)ランキングでは6位に入る人気ぶりだ。価格が割安なコンパクトカーのホンダ「フィット」よりも若干少ない程度で、日産「ノート」の登録台数を上まわっている。

一方のヴェルファイアは低迷する。同じ2020年7月の登録台数は、1289台であった。アルファードの15%ほどでしかなく、およそ7倍もの差がついたのだ。同じクルマなのに、なぜ大差が生じたのだろうか。

デビュー時はヴェルファイアが売れていた

過去を振り返ると、初代アルファードは2002年に発売され、この時点ではトヨペット店とトヨタビスタ店(ネッツ店の前身)の2系列で販売された。2代目アルファードは2008年に発売され、このときに姉妹車のヴェルファイアが登場している。

初代「ヴェルファイア」の後期型ハイブリッド車(写真:トヨタ自動車)

ヴェルファイアは、トヨタビスタ店とトヨタオート店を統合した新系列のネッツ店が扱い、アルファードは従来通りトヨペット店が販売した。

ネッツ店は少し若いユーザーを狙った系列店で、ヴェルファイアのフロントマスクは若者の指向に合わせて、睨みを利かせた派手な形状とされた。2008年当時の販売店数は、トヨペット店が約1000店舗に対し、ネッツ店は、トヨタビスタ店とトヨタオート店の統合だから約1600店舗と多かった。

フロントマスクと店舗数の違いにより、当時はヴェルファイアの売れ行きがアルファードを上まわった。

2010年暦年の登録台数は、ヴェルファイアが約6万1000台(1カ月平均で約5080台)、アルファードは約3万6000台(同約3000台)。ヴェルファイアの登録台数は、アルファードの1.7倍で、店舗数の比率ともほぼ合致した。この後もヴェルファイアは、アルファードの1.4〜1.5倍の販売を続ける。