「『アフター・コロナ』は意外に明るい時代になる」という、かんべえ氏(双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦氏)の記事(1月9日配信)が大変好評らしい。だが、私はまったく正反対の見方をしている。2021年はどうやら「最悪の年」になるだろう。

「100年前のアメリカ」はバブルだった

なぜか。まず、かんべえ氏は大きな誤解をしているようだ。100年前のアメリカは、相対的にはきわめて恵まれた国であったのだ。第1に、世界の覇権は英国からアメリカに移ろうとしていた。アメリカは世界を制覇するという、大きなトレンドに乗っていた。

第2に、スペイン風邪の流行でアメリカでは約30万人が死んだ。

だが、日本は約38万人でそれ以上に死者が出ており、世界ではWHO(世界保健機関)の統計では約4000万人、一説では1億人以上が死んだとも言われている。

要は、アメリカでは相対的にはスペイン風邪の影響はまだ低いほうだった。しかも、スペイン風邪の名に反して、もともとの原因はアメリカ兵が欧州の戦場で広めたとも言われており、欧州からすれば戦犯はアメリカである。

第3に、第1次世界大戦の戦場はもちろん欧州であったため、アメリカは経済的に大きな恩恵を受けた。

さらに、大戦後もドイツに投資を行い、ドイツが経済を回復することで英仏に賠償金を支払うことが可能になった。英仏はその資金でアメリカや日本からの輸入を回復させた。

ひとことで言えば、アメリカは「1次大戦のおかげ」で、輸出、投資ともに大きな収益を上げたのである。これが1920年代のアメリカの大きなバブル、そして1929年のウォール街大暴落、そして1930年代の大恐慌につながるのである。

実際、そうなのだ。かんべえ氏も1920年代は「つかのまの晴れ間のような時期」と書いているとおり、明るい時代は一時的で、暗黒の前触れだったのである。