クルマ好きであれば、「マクラーレン」というネームを1度は聞いたことがあるだろう。F1のテレビ放映が日曜夜のエンターテインメントだった時代、「マクラーレン・ホンダ」や「マールボロ・マクラーレン」などのWネームで記憶している方も多いはずだ。今回試乗した車両は、そんなマクラーレンが生産している最高峰ロードスポーツカーである。

「ロードスポーツカー」と表現したのには理由がある。マクラーレンは1963年9月2日、ニュージーランド人レーシングドライバーのブルース・レズリー・マクラーレンによって、「Bruce McLaren Motor Racing Limited」としてイギリスで正式に法人化された。社名のとおり、レーシングコンストラクターとして誕生したのだ。

名前は知っていても、自動車メーカーという視点で見ると知らないことも多いマクラーレン。そこで今回は、試乗インプレッションの前にマクラーレンとはどのような生い立ちで生まれ、現在はどのような活動を行い、自動車メーカーとして車両を販売しているのかといった基本情報から説明していきたい。

名門マクラーレンの歴史を紐解く

創業者であるブルース・マクラーレンは、13歳で父親のレーシングマシン「オースティン7アルスター」をフルレストアするなど、エンジニアリングにも高い見識を持っていた。一方でドライバーとして1966年のル・マン24時間優勝、1966〜1967年にはCan-Am(カナディアン・アメリカン・チャレンジカップ)シリーズで2連覇を果たしている。F1GPでは、1959年のアメリカGP最年少優勝記録を達成。22歳と104日での優勝は、2003年にフェルナンド・アロンソが記録更新するまで44年間も破られることなく、エンジニアとしてもドライバーとして並外れたスキルを持っていたことがわかる。

シャーシコンストラクターとして創業したマクラーレンは、1966年よりチームとしてF1ヘのレギュラー参戦を開始。世界中のビッグレースで確実にエンジニアリングを構築していく。1974年には、エマーソン・フィッティパルディーがドライバーズチャンピオンを獲得し、同時にF1において世界初のシャーシコンストラクターズチャンピオンを獲得した。

また北米を中心にCan-Amにもチーム参戦し、通算43勝、5度の年間タイトルを獲得。インディー500では、7年の間に3度の優勝を達成している。