2020年12月9日にフルモデルチェンジを果たし、大きく進化したトヨタの燃料電池車(FCV:Fuel Cell Vehicle)「MIRAI(ミライ)」。初代MIRAIは、量産車として世界初の燃料電池車(FCV)として、2014年に“究極のエコカー”としてデビュー。

それから6年の歳月を経て、第2世代へとバトンタッチを果たした。先代はプリウスをベースにしていたが、新型はフラッグシップセダン「レクサスLS」と同じGA-Lプラットフォームをベースに開発され、環境性能に加えて「走ることを楽しむ快適なクルマ」として走行性能やラグジュアリー性能を高めたことも話題だ。

先進性を全面的に打ち出した先代に比べると、新型MIRAIはステータスカーとしての価値を高めた印象だ。実際に乗ってみると、FR化によって走りも格段によくなり、内外装もエコカーを超えた上級セダンらしい趣になっている。さらに全長は5mに迫るもので、クラウンよりも大柄なので、センチュリーを除けばトヨタ最上級セダンという位置づけになるだろう。

しかし、燃料電池車のMIRAIなのだから航続距離や燃費が気になるところ。とくに電気自動車や燃料電池車は、一般的なガソリン車に比べてカタログ燃費と実燃費に差が出ることも多い。そこで今回は、新型MIRAIの試乗車を借りる機会があったので、航続距離を中心に一般ユーザーでも使えるクルマなのかを見ていきたいと思う。

新型MIRAIのカタログスペック

まず、新型MIRAIのカタログスペックをおさらいしておこう。グレード構成は、標準グレードの「G」と上級グレードの「Z」の2本立てで、それぞれに高級感を高めた「エグゼクティブ パッケージ」、さらにGには高度運転支援技術Toyota Teammate Advanced Parkなどを装備した「Aパッケージ」を設定。すべてFRレイアウトで、価格は710万〜805万円となる。こう聞くと非常に高価だが、140万円前後の優遇措置が受けられるので、ユーザーが負担する実質的な費用は600万円前後になる。

今回、トヨタモビリティ東京からお借りした試乗車は、標準グレードのGにToyota Teammate Advanced Parkなどを装備した「G“A Package”」で、車両価格は735万円。燃料消費量はWLTCモードで152km/kg、一充填走行距離(航続距離)は約850km(参考値)(東洋経済オンライン編集部撮影)

気になる航続距離は、「G」「G“Aパッケージ”」「G“エグゼクティブパッケージ”」が約850km、「Z」「Z“エグゼクティブパッケージ”」が約750kmとカタログに記載。ちなみに初代MIRAIの航続距離は、メーカー公表値で約630kmだったので、新型は従来比30%アップ(Gグレードの場合)となる。その理由としては、水素搭載容量が4.6kgから5.6kgに増えたことや、システム刷新により燃費が向上したことが大きな要因だ。

ボディサイズは、全長4975mm×全幅1885mm、全高1470mmとなる。初代MIRAIのボディサイズが全長4890mm×全幅1815mm×全高1535mmだったので、一回り大きくなった印象だ。ちなみにトヨタの最上級セダン「クラウン」が全長4910mm×全幅1800mm×全高1455mmなので、それよりも大きい。ただ、実際に乗ってみると視界も広く、思った以上に運転しやすい(東洋経済オンライン撮影)