先週はアメリカの中長期金利の上昇、インフレ懸念からFRB(連邦準備制度理事会)が引き締めに転じるのではないかとの連想も生じて、株価が動揺した。足元の株高はバブルであり、崩壊するのではないかとの警戒感が市場にはある。GCIアセット・マネジメントの創業CEO・山内英貴氏に、個人投資家へのアドバイスを聞いた。山内氏は長年運用に携わり、その経験からリーマンショックを予見した。GCIはヘッジファンド運用会社で、個人投資家向けにエンダウメント(大学財団)型の投資戦略を活用した公募投信も展開している。

――投資家としては経済、市場の先行きをどう見たらよいのか。

まずは、長い目で見た経済において、堅固なトレンドと、前提条件が変われば変わるトレンドとを見極めておきたい。

グローバル化は堅固なトレンド

1990年代から続く「グローバル化」は堅固なトレンドだ。コロナ禍や米中対立で変わったといわれるが、それは人の移動やモノの移動などが制約を受けたハードの面であり、サービスや情報といったソフトの面でのグローバル化は変わらない。

その背景として、この20〜30年を見ると、あらゆるものが流動化している。その原因を分解してみると、ひとつはDX化。今の在宅勤務に象徴されるように人が移動しなくても、技術・知恵・ノウハウの共有が可能になった。それによってイノベーションも加速している。もうひとつはモノからサービスへのシフト。だから、モノのグローバル化はある程度まで来ているとしても、まだサービスが伸びる。未来には暗い絵は描いていない。

もうひとつ、「グリーン・テクノロジー」も堅固なトレンド。中国、イスラエル、北欧が最先端を走っているので、注視しておきたい。ただ、その背景となっている気候変動の問題はなかなか解決に向かわないので、それが予想できない変動をもたらすリスクがある。

一方、前提条件次第で簡単に変わる可能性のあるものは2つ。

第1が資産価格の上昇だ。リーマンショックの後、リスク資産価格の上昇と国債価格の上昇が併存するという状態が続いてきた。古典的な経済理論では説明のつかない現象だ。この状態は世界中の中央銀行が「結託」して作り出している。さらにコロナ禍で財政も出動している。こうした状況は特殊なので、過去の経験からどこかでほころびが生じて崩れるリスクは小さくない。これをうまくソフトランディングさせられるのかが課題だ。