夫は会社員、妻は結婚退職以降、扶養の範囲内でパート勤務。年金制度改正により社会保険の適用拡大が進みますが、今まで扶養に入っていた妻で、これから厚生年金に入るかどうか迷っている人も多いでしょう。

夫婦の老齢年金受給期間、そして遺族年金の点から考えた場合では、夫より妻が年上のケースのほうが、より妻の厚生年金加入の意味が大きいと考えられます。具体的に説明しましょう。

扶養から外れて厚生年金に入るメリット

夫婦ともに年金の支給開始年齢が65歳の場合、それぞれ65歳から受給できる年金は、1階部分の老齢基礎年金と2階部分の老齢厚生年金の2階建てとなります。妻が国民年金第3号被保険者として扶養に入ったままの場合は、自身で保険料は負担しませんが、将来の年金については老齢基礎年金のみが増えます。一方、扶養から外れて厚生年金に加入すると、厚生年金保険料を負担するようになりますが、老齢基礎年金だけでなく、老齢厚生年金(報酬比例部分)も増えることになります。

また、病気やケガで障害が残った場合の障害年金については、障害基礎年金が障害等級1級・2級で対象になるのに対し、障害厚生年金は2級より軽い3級の障害でも受給できることになります。障害厚生年金は、厚生年金加入中に初診日(障害の原因となる傷病で初めて医師等の診療を受けた日)があることが受給の条件です。病気やケガがなく過ごせるのがいちばんですが、厚生年金加入で万が一のときに備えることもできます。

厚生年金加入の条件は、1週間の所定労働時間および1カ月の所定労働日数が常時雇用者の4分の3以上の場合です。つまり、フルタイムの4分の3以上の勤務であれば、アルバイト・パート勤務でも厚生年金の対象になります。ただし、4分の3未満でも、①1週間の所定労働時間が20時間以上あること、②月額賃金が8万8000円以上あること、③雇用期間が1年以上見込まれること、④学生でないこと、⑤被保険者となる従業員数が501人以上であること、このすべての要件を満たしている場合も加入対象になります。

今後、社会保険の適用が拡大され、⑤の従業員数については、2022年10月から101人以上、2024年10月からは51人以上に改正され、③についても、2022年10月以降、2カ月を超えて雇用されると見込まれる場合に変わります。なお、厚生年金と同時に健康保険の被保険者にもなって、その保険料の負担もありますが、傷病手当金などを受けられますので、保障も厚くなるでしょう。