東洋経済新報社の記者・編集者が、SBI証券のチーフストラテジストの北野一氏とともにマーケットを展望する月1回の動画連載「Monthly TREND REPORT」。第18回前編のテーマは、「新型コロナの死亡率上昇の理由」。北野氏が解説します(詳しくは動画をご覧ください)。

日本では3月に入り、新型コロナウイルスによる死亡率が急上昇した。アメリカの死亡率が1.5%前後で安定的に推移するのに対し、日本の死亡率は 3.5%近くとなっている。この格差の原因として、ワクチンの接種や変異株の蔓延など、さまざま要因を想定することができるだろう。

しかし、日本の死亡率の上昇については、陽性者の年齢構成の変化が一因と考えられる。厚生労働省が公表する「新型コロナウイルス感染症の国内発生動向」の年齢階級別陽性者数と同死亡率を見る限り、「死亡率の低い若年感染者数の減少によるものではないか」(北野氏)。

1月7日〜3月21日、飲食店をメインターゲットにした緊急事態宣言が発令された。年齢階級別陽性者比率をみると、2〜3月にかけて20代が減少し、80代以上が増えた。その時点での20代の死亡率は0%、80代以上の死亡率は13.6%。20代の陽性者比率が減少し、80代以上の陽性者比率が増加すると、全体の死亡率が高く出るのは当然だ。

その後、日本の死亡率は4%超まで上昇し、3月19日をピークに急低下した。直近の死亡率はほぼアメリカと同じ水準である。緊急事態宣言の解除後、若者の陽性者比率が再び増加してきたからだと思われる。3月の急激な死亡率の上昇に関しては「変異株の影響ではなく、緊急事態宣言による見かけ上の変化であった」(北野氏)と考えることができる。

さらに興味深いのは、東京都と大阪府の新規感染者数と、JR東日本とJR西日本の相対株価の関係だ。これは東急と阪急阪神ホールディングスの相対株価の推移にもあてはまる。株式市場が見せた素早い反応とはどのようなものだったのか。詳しくは動画をご覧いただきたい。

著者:東洋経済 会社四季報センター