2020年1月以降、新型コロナウイルスの流入を防ぐために国境を封鎖したままの北朝鮮。それから1年以上が過ぎ、徐々に国境を開放する動きが見られる。

今年3月初旬、北朝鮮と国境を接する中国遼寧省の丹東市から、対岸の新義州市へと鴨緑江を越えて北朝鮮に向かう貨物車両が目撃されるようになった。ただ、税関など防疫関連施設の準備が十分に整っておらず、生活必需品などの取引は少額・小規模なものにとどまっていた。

丹東では7月に大きく緩和との情報

しかし、最近になって今までとは違った動きが見え始めた。中朝貿易関係者によれば、首都平壌市の西方にある北朝鮮の主要貿易港の1つである南浦港で6月から船舶による輸出入が始まったという。コロナ禍による防疫体制が厳しく、陸路となる中朝国境貿易が振るわない中、相対的に新型コロナウイルス感染症への防疫管理がしやすく、取扱量も増やせる海上交易を開くことで、必要な物資を手に入れたいと北朝鮮は考えているようだ。

また7月にも丹東、新義州などで人的往来も再開されるとの話が現地で聞こえている。中国側で北朝鮮との貿易再開を望む声が多く、それに応える形で北朝鮮側が国境を徐々に開放していく計画だ。前出の関係者によれば、「北朝鮮で貿易業者の活動が難しいように、中国側も北朝鮮と商売ができずにいて、生活が厳しいと訴える業者が少なくない。一刻も早い国境開放は、中国側でも望まれている」という。

別の関係者によれば、「いま北朝鮮では、化学メーカー向けの原材料が底を突いていて、操業さえ厳しい状況にある工場が少なくない」。これらは原材料の大部分を中国からの輸入に頼っている分野であり、ガソリン価格もコロナ禍直後の価格と比べ3〜4倍に高騰していると、同関係者は付け加える。

ただ、7月に国境がより広く開放されれば、原材料なども多く入ってくるはずだとの期待感が高まっているという。北朝鮮の最高指導者である金正恩総書記は最近、平壌市内で1万戸の新住宅建設計画をブチ上げた。7月に貿易が再開すれば、内装材などを中心に住宅建設向けの資材が入ってくると目論んでいるという。