電車に自転車をそのまま載せて目的地へ――。西武鉄道は6月10日、7月から多摩川線(武蔵境―是政間)で、自転車を折りたたんだり分解したりせずに車内に持ち込める「サイクルトレイン」の実証実験をすると発表した。

イベント列車ではなく通常運行の電車で実施し、乗車券があれば持ち込み料金は不要。沿線住民の買い物やサイクリング客などの利用を想定し、温暖化ガスの排出量が少ない「環境に配慮した移動手段」をPRする。

地方の鉄道ではすでに各地で見られるサイクルトレインだが、都市部では珍しい。今回は実証実験だが、西武は今後の本格実施も見据えているという。コロナ禍で鉄道の利用が減少する一方、最近は通勤など移動手段として自転車への注目度が高まる。自転車を持ち込める列車は、都市部の路線にも定着するだろうか。

車内では手すりのベルトに固定

西武多摩川線は、JR中央線の武蔵境駅(東京都武蔵野市)と多摩川沿いの是政駅(府中市)を結ぶ全長約8km、全6駅の路線。ほかの西武線とは接点がない独立した路線で、4両編成のワンマン電車が日中12分間隔で走る。

サイクルトレインの実証実験は7月1日から9月30日まで実施し、平日は10時〜15時台、土休日は8時〜17時台の列車が対象。利用できる駅は6駅のうち多磨駅(府中市)を除く5駅だ。多磨駅は2020年末に橋上駅舎にリニューアルされ、エレベーターなども完備しているが、駅舎につながる自由通路のうち一部が市の敷地で自転車通行禁止となっているため、今回の実証実験期間中は対象外になったという。

電車に持ち込み可能な自転車は乗客1人につき1台で、武蔵境寄りの1両が指定車両。乗車後は自転車のスタンドを立て、車内の手すりに取り付けてある固定ベルトを巻き付けて倒れないよう乗客自身で支える。搭載できる台数は1本の列車に8台までで、上回る場合は次の列車を利用する。台数が最大8台なのは、「優先席寄りを除くドア横の手すりに固定ベルトがあるため」(西武鉄道広報部)だ。