「お金持ちになりたい!」。多くの人が「取りあえずは」そう思うだろう。今回は、そのための手段について考えてみよう。

「大金持ち」は地主から株主に

筆者の知る1980年代から1990年代にかけて、わが国のいわゆる「長者番付」の上位は土地や土地を含む不動産を持っている人が上位を占めていた。

俗に言う長者番付とは、国税庁が発表する高額納税者公示制度のことなのだが、2006年(2005年度分)から廃止された。個人情報保護の機運の高まりによるものだ。もともと、普通に生活している人にとって重要な情報ではないが、それなりに興味深かった。

1990年代初頭のバブル崩壊まで、戦後の日本の地価はほぼ一貫して上昇しており、日本の土地は値下がりしないという「土地神話」が広まっていた。

土地神話時代の長者への道は、まず良い立地の土地を持っている家に生まれること、土地を持っている配偶者を持つこと、なるべく若いうちから住宅ローンを組んで不動産を所有することなどが「定石」であり、「手筋」だった。

なお、土地神話については、日本の金融は、不動産を信用の裏付けとする場合が多く、「土地が値下がりすると、信用システムが崩壊するので、政策的にも地価を下げるわけには行かないのだ」と注釈する向きがあった(本気でそう語る金融マンが筆者の周囲に何人もいた)。

しかし「下げるわけにはいかない」と願うことと、現実に値下がりを阻止できることとが一致しない場合があることが、その後の経緯で明らかになる。強く信じるだけでは、人生は思いどおりにはいかないものなのだ。あれからおおよそ30年が経過して、大金持ちのプロフィールは大いに変化した。