リープフロッグ(カエル飛び)で飛躍するアフリカのファクトフルネスを解説した椿進氏の『超加速経済アフリカ』が、「中田敦彦のYouTube大学」でも紹介され、大きな反響を呼んでいる。いま、アフリカにとっての最大の貿易相手国は中国。インフラ投資や人的交流も拡大している。今回は、教科書では学べない、テレビや新聞も伝えない、アフリカで存在感を増している中国について椿氏が解説する。

中国の対アフリカ輸出額は10兆円規模

実は1960年代から80年代にかけて、日本の家電メーカーはアフリカ市場を席巻していました。ところがその後、アフリカのトップブランドになっていったのが、サムスンやLGといった韓国メーカーでした。ただ、最近ではOPPO、vivo、ファーウェイ、小米など中国メーカーが急激に追い上げています。

韓国メーカーも以前の日本の家電メーカーと同じような状況になりつつあります。実は日本のメーカーが進出する前は、トムソンやPCAなど欧米企業が家電市場を押さえていたのです。そこからシェアを日本企業が奪った。それが韓国企業に、次は中国企業へと移りつつあるということです。実際、すでに中国メーカーはスマホでもアフリカのトップブランドになっています。

中国はすでに、アフリカにとっての最大の貿易相手国です。売るのも買うのも、ともに最大。中国が買っているのは、燃料・鉱物が約9割で、あとはコーヒー、紅茶、ナッツなどの食品関係です。売っているものは、4割弱が機械・電子機器・部品、残りは車両、プラスチック製品、アパレルなど幅広くあります。すでにそれらの輸出額は10兆円規模になっています。

ちなみに、日本とアフリカの貿易は、アフリカへの輸出で約9000億円、輸入で8500億円弱。ともに中国の10分の1以下です。

実は中国がアフリカに本格的に目を向け始めたのは、2003年頃からです。そこから18年の間に、圧倒的な存在感を出すことになったのです。

中国のアフリカ進出の最大の目的は「資源の確保」です。2003年頃から、中国の急速な経済成長で資源不足が課題となり、戦略的に進出。特に石油や鉱物、レアメタルなどで、国家のエネルギー安全保障の一環として進出しました。

もう1つの目的は、「国際世論の形成」のようです。国際世論を中国の味方につける。国連の票を多く獲得することです。