そんなハワイの感染状況はどうなのだろうか。マキさんによると、デイビッド・イゲ州知事によりワクチンの接種も迅速に進み、感染者は非常に低く抑えられているという。5月にマスクの屋外での義務化が解除されているが、ワクチンを打っても互いへの心遣いからマスクをつけるなど、奥ゆかしい人が多いそうだ。

一方で渡航規制の緩和でアメリカ本土からの旅行者が急増しているというニュースも報じられている。観光にも以前の活気が戻るかに思われるが、マキさんによるとそう簡単ではないのだそうだ。

「アメリカの人は基本的にビーチで過ごすため、あまりお金を落としません。日本で言えば沖縄のようなもので、お店もブランドも同じものが本土にありますから。『アメリカの旅行者で賑わっている』と報道されていますが、実は、ハワイの経済は全然回っていないんです。観光で成り立っている国ですから、かなり深刻な状況と言えるかもしれません」

だからこそ、日本人観光客が戻ってきてくれる日を心待ちにする思いも強いのだ。しかしこうしたビジネスの理由だけではない。マナーがいい、優しい、ハワイの文化を尊重するといった、日本人の人柄への評価が現地では高いのだという。

これは、「日本人はハワイが好き」という事実と表裏一体と言えるだろう。江戸時代に結ばれた友好条約、そして明治に行われた移民など、両国は古くから関係を築いてきた。新婚旅行のメッカと言われ、芸能人やスポーツ選手が過ごすリゾート地としても有名だ。日系人が多く、日本人として過ごしやすいことも、人気の理由だろう。

「ハワイのジャパンラバーズは日本人ロス」

ハワイの魅力について聞くと、マキさんは「アロハスピリット」という。

「もちろん最初は海の美しさ、暖かい気候などに惹かれると思いますが、最終的にはハワイの人自身に魅力を感じるのではないでしょうか。アロハスピリットは思いやり、譲り合い、愛といったもの。例えば道でも絶対にクラクションを鳴らさず『どうぞ』とまず譲ります。譲られるとうれしいから、他の人にも譲りたくなります。そういうふうに、思いやりが回っていくのがアロハスピリット。

ロックダウンしていたときも、みんなが『コロナを撃退しよう』という気持ちで、ルールを守りました。散歩は許されていたので、歩いていると出会うんですが、互いに「がんばろう」って気持ちを込めて挨拶をし合っていましたね。状況的に『他人を避けたい』となってもおかしくないのですが、そういう人はいませんでした」(マキさん)

マキ・コニクソンさん。コーディネーターとしてハワイに在住して23年。芸能人などとの交友関係が多いことでも知られる。現地コーディネートやイベントプロデュースで活躍するほか、35万人以上のフォロワーを抱えるインスタグラムで「アロハスピリット」を発信している(撮影:今井康一)

新型コロナは分断のウイルスと言われ、世界中で多くの深刻な対立を生んだ。日本でもSNSやメディアなどで、さまざまな事柄を巡り批判や傷つけ合いが日常化している。不安に満ちた社会の状況や、同調を良しとする日本人特有の性質が原因としてあるかもしれない。

反面ハワイには、ポジティブなスパイラルを生み出すアロハスピリットが根付いているわけだ。マキさんのインスタに癒やしを求める人が増えているのも頷ける。マキさんも、「アロハスピリッツのおすそわけ」という気持ちで、毎日インスタを更新しているそうだ。

最後に、ハワイファンへのメッセージを聞いた。

「将来のためにハワイ貯金をお願いします。ハワイのジャパンラバーズは日本人ロスになってます。両手を広げて待っています」

マキさんとハワイのポジティブな精神を取り入れに、会場に出かけてみてはいかがだろうか。

著者:圓岡 志麻