ここで比較されている「対GDP比の研究開発費」は、「研究開発費をGDPで割った値=研究開発費/GDP」です。生産性が高くなればなるほどGDPが上がりますので、当然ながらその国のランキングは下がります。IMFによる2021年の購買力調整済み生産性予想では、日本の生産性はアメリカの65.3%しかありません。

つまり研究開発費を存分に活用して生産性を高め、GDPを成長させるほど、このランキングでは順位が下がるのです。逆に研究開発費を無駄にすればするほど、ランキングは上がります。要は、「対GDP比の研究開発費」による国際比較は、使いものにならないのです。さらに言えば、日本の研究開発費の効率性はきわめて悪いとも解釈できます。

国際比較を正しく行うためには、1人あたりの研究開発費を見るべきです。それで見るとアメリカは世界2位です。残念ながら、日本の順位は世界12位まで下がります。ベルギーより下です。トップの国を見ると、韓国、アメリカ、シンガポール、台湾が並んでいます。半導体や最先端技術などの研究開発の結果と見ていいでしょう。

本来は研究開発費を生産年齢人口や就業者数で割って比較するべきですが、残念ながらそのデータは揃っていません。仮にそのデータで比較すれば、労働参加率が相対的に低いアメリカの順位はさらに上がることが予想できます。

「設備投資」でもアメリカと圧倒的な差

次に企業の設備投資です。

世界銀行によると、日本の対GDP比の設備投資額は1970年の41.1%から2010年の21.3%まで、継続的に低下してきました。そのあとは少し持ち直し、2019年に24.5%に回復しています。しかし、これも対GDP比の数字です。日本の生産性は相対的に上がっていないので、実際はこの数字よりさらに悪いはずです。

日本の設備投資絶対額は1990年を100とすると、2018年には84.7まで低下しています。一方、アメリカは338.3と驚異的に増えています。