「もともと僕自身が、あんことおはぎが好きだったんです。幼い頃から祖父母にかわいがられていて、祖父のオフィスへ遊びに行くと、お茶菓子をいろいろ食べさせてもらいました。また、おはぎは日本でお彼岸に食べる習慣があり、名古屋ではお盆の暑いときにご先祖様にお供えする文化もある。小ぶりのサイズ感は、学生時代にアルバイトで焼いていたたこ焼きを意識しました」

同じ和菓子でも、上生菓子には抹茶に合わせるかしこまったイメージがあるが、おはぎなど和のおやつなら、コーヒーやコーラ、水と合わせるなど、現代的なライフスタイルの中に置いても違和感がないと考えた。

子どもでも安心して食べられるように

事業を展開するにあたり、先行するタケノとおはぎや森のおはぎへも視察に行った。

「両店舗とも、商品1つひとつに顔があり味わいがあるような、きれいでおいしいおはぎを売っていたんです。でも、その美しさは職人の技術があってこそ、成立するもの。嗜好品としてだけでなく、いずれカフェ業態で展開することを見据え、最初から多店舗展開を考える僕がめざすものとは違う」と感じた。

タケノとおはぎは、デリカテッセンを営むシェフが開発。森のおはぎは元テキスタイルデザイナーが始めた店だ。一方、落合社長は経営に徹し、商品開発は起業前から手伝ってくれている女性が担当している。

6個入りの箱の取っ手は割り箸と、エコなデザインだ(撮影:今井 康一)

当時、生まれたばかりの子供を背負いながら試作する彼女が「わが子に食べさせたくなる、安心安全でおいしいおはぎをつくりたい」と言う言葉に納得。無添加にすること、糖度を抑えて白砂糖の替わりにミネラル分が多いしょ糖を使うことに決めた。

「幅広い年代に受けいれられ、飽きのこないものをと考えたら、このラインナップになりました。毎朝、各店でご飯を炊いて、お米の粒感を残しつつ手作業で丸めています。あんこだけは当社でレシピ開発したものを、OEMで製造してもらっています。若い方から年配の方まで、昔ながらの手作りのようないびつ感、きれいすぎないランダム性を残したおはぎに仕上げています」と落合社長。

あえて少しいびつな形にした理由は、誰でもできるようにすることと、ホリデイズの企業理念でもある「心のすき間を温める」ホッとした感覚を抱いてもらうためだ。