1本ずつ食べられる「パピコ チョココーヒー」と派生商品の「パピべジ」(写真・江崎グリコ)

同社の「ジャイアントコーン」は、パピコよりさらに歴史が長いが近年は好調だ。

「ブランド全体で2020年度の売り上げは、2006年度の約2倍となりました。トッピングからコーンまで変化のあるおいしさを、ザクザクと思いきって食べ進める心地よさが、日々の疲れをとり、明日への活力を生んでいると考えています」(同)

粒アイスとして知られる「アイスの実」の取り組みも興味深いが、同ブランドの横顔は後編で紹介したい。

100円台のアイスでも「失敗したくない」

最後に前編の締めとして、各取材先から聞いた話を整理してみた。

・「定番ブランド」への信頼感は健在
・「失敗したくない」思いが一段と進んだ
・在宅勤務が増え、新たな消費行動も生まれた

それぞれ簡単に説明したい。

半世紀超のロングセラーだが、近年好調の「ジャイアントコーン」(写真:江崎グリコ)

ロングセラーが多い、各ブランドへの信頼感は今回も健在だった。フレーバーについては「味選びで失敗したくない」思いが強い。以前から定番でも新商品でもそうだったが、「コロナ減収」というご時世、この意識が一段と進んだといえよう。

多くの社会人が在宅勤務中心の生活が続く。自宅近くで「アイスを午前中に買う」機会が増え、逆に「夜の購入が減る」――といった動きも購買データから見られた。職場で“同僚と顔を合わせて執務”ではしにくかったが、仕事中の「息抜きアイス」も増えた。

また、運動不足による健康意識が高まり、乳製品が売れた影響もあるのか。「MOW」(森永乳業)や「牧場しぼり」(江崎グリコ)など「乳を打ち出したアイスが売れた」とも聞く。

行動が制限されて閉塞感がある生活では、嗜好品への消費も「安・近」(安い・身近)になっていく。次回は他の人気ブランドを紹介しつつ、消費者心理をさらに探っていきたい。

(後編に続く、近日公開予定)

著者:高井 尚之