今年の梅雨明けは沖縄や奄美地方以外は平年より早まり、全国的に暑い夏がやってきた。

とはいえ、東京都で7月12日から4度目の緊急事態宣言が発令されるなど、2年続けて夏休み中の観光旅行需要にブレーキがかかった。医療従事者の方のご尽力には敬意を表するが、一般消費者が新型コロナの影響でガマンを強いられる生活はまだまだ続く。

そうしたコロナ禍で、地道に売り上げを伸ばした業界がある。全国各地の小売店で気軽に買える「家庭用アイスクリーム」だ。

アイス業界が好調の理由には、商品のなじみ深さと手頃な価格があるだろう。各人気ブランドの横顔を前後編の2回に分けて紹介し、巣ごもり消費の奥に潜む消費者心理を考えてみた。

2021年の関東甲信地方の梅雨明けは「7月16日ごろ」と発表された(7月下旬の東京・中野区、筆者撮影)

アイス市場は「年5100億円台」で安定

まずは全体の市場規模から紹介しよう。

業界団体の日本アイスクリーム協会の調査では、家庭用アイスを中心にした2020年度のアイス市場は「5197億円」(メーカー出荷ベース)。同調査における過去最高を記録した。2017年度から4年連続で5100億円台(2020年度は対前年比100.9%)となっている。

かつてのアイス市場は、記録的な猛暑で需要が伸びた1994年度の4296億円がピークで、20年近くその数字を更新できなかったが、2013年度に4330億円で更新。以後は伸び続けて5000億円の大台を突破した。

ここ数年は伸びも鈍化したが、2020年度はコロナの影響で、外食店と関係が深い業務用アイスが影響を受け、書き入れ時の同年7月に梅雨明けが遅れるなどのマイナス要因を抱えながらの最高実績だった。以前より一段上の数値レベルに入り、人気は底堅い。

続いて、個別ブランドの数字を見ていこう。

同業界の専門メディア「アイスクリームプレス」の調査によれば、2020年度と2019年度の上位ブランドと年間売上高は次の結果だ。以前より売上高100億円前後も増えた。