東京五輪で日本の金メダルラッシュが続く一方、主催地の東京や首都3県のコロナ感染者数が激増している。菅義偉首相の命運が懸かる「コロナ・五輪政局」は、プラスとマイナスの要因がせめぎ合い、「今後の展開は予測不能の状況」(自民長老)となりつつある。

メディアの報道も、7月23日の開会式以降は五輪一色となった。しかし、東京の新規感染者が過去最高となった27日以降は、コロナ感染拡大が金メダル報道を押しのけ、国民の間でも熱狂と不安が交錯する。

菅首相の強がりが国民の不満を加速

日本の金メダル獲得数は過去最高(16個)の更新が確実視され、「競技としての東京五輪は大成功」(組織委幹部)という。ただ、五輪期間中の感染爆発で東京での医療崩壊が現実となれば、「五輪の熱狂が帳消しになる」(閣僚経験者)ことも避けられない。「菅首相の強がりが国民の不満を加速させてる」(同)ことも事態の悪化につながっている。

全国の新規感染者が初めて1万人を超えた29日、政府は東京、沖縄だけでなく、神奈川、千葉、埼玉各県と大阪府に緊急事態宣言を発令する方針を固めた。30日夕の政府対策本部で正式決定する。期間は8月31日までとし、東京と沖縄もこれに合わせて期限を延長する。

さらに、感染拡大が目立つ北海道、石川、兵庫、京都、福岡に「まん延防止等重点措置」を同じ期限で適用する。これにより、8月24日開幕のパラリンピックも緊急事態宣言下での開催となる。

今後、夏休みやお盆の人出により8月中旬に全国的に感染が急増すれば、パラリンピックの開催自体も危ぶまれる状況となりかねない。