7月に行われた兵庫県知事選挙で自民党と日本維新の会の推薦を受けて当選した斎藤元彦知事(43)が1日に就任し、今日から本格的に始動する。「大阪以外で初めて誕生した維新系知事」であり、吉村洋文・大阪府知事ら維新幹部は「兵庫でも『身を切る改革』を」「大阪と一体で関西経済活性化を」と期待を寄せる。

一方で維新流の急進的改革や強引な政治手法、地方の切り捨てなどを警戒する声も根強く、選挙戦では対立陣営が「維新を受け入れるのか」「兵庫が大阪に乗っ取られる」と盛んに訴えた。出馬の経緯や本人の言葉を追うと、維新が圧倒的な与党である大阪とは異なる複雑な実情が見えてくる。

斎藤新知事の「維新色」はどの程度か

「自民党に一定の軸足を置く一方で、維新の改革スピリットをしっかりと一緒になってやっていく」

兵庫県知事に当選して3日後の7月21日、日本維新の会本部(大阪市)を訪れた斎藤元彦氏は、同党の馬場伸幸幹事長と並んだ記者会見でそう述べた。直前に代表の松井一郎・大阪市長、副代表の吉村大阪府知事から「改革姿勢を示すには最初の一歩が大事」と激励され、9月県議会で知事退職金5割・給与3割削減の条例化に取り組むと応じたという。維新と政策合意した「身を切る改革」の一つだ。

神戸市出身の斎藤氏は元総務官僚。19年間の在職中に新潟県佐渡市、福島県飯舘村、宮城県に出向して地方自治の経験を重ね、出馬直前は大阪府の財政課長。松井・吉村両知事の維新府政を3年間支えた。それゆえ、自民党との相乗りとはいえ、維新色の強い人物と見なす人は多く、彼がどこまで「維新スピリッツ」に共鳴し、その手法を県政に取り入れようとしているのかが一つの焦点になっている。だが、本人は慎重に明言を避け、自民とのバランスに配慮を見せてきた。

3月末の出馬会見では、行革の手法について「バサッと切るのではなく、一つひとつ検証して丁寧に作業する」「地方の切り捨てはしない。『兵庫都構想』もやらない」と明言。選挙戦では「だれひとり取り残さない県政」とSDGsの理念を掲げ、当選後のインタビューでも劇場型政治やパフォーマンス重視を否定するなど、維新の政治手法や同党の特徴である新自由主義的思想、自己責任論とは一線を画すように語っている。