日経平均株価は現在のところ、2万7000円を大きく底抜けるような展開とはなっていない。だが上値も極めて重く、一時的に2万8000円を超えても定着していない。それに対して、アメリカの主要な株価指数は時折調整はしても、なお高値圏にある。

業績を評価する流れが来るまでの忍耐が必要

そこで、ドルに換算した日経平均をニューヨーク(NY)ダウ工業株指数で割った比率(便宜上、ドル建て日経平均を100倍して調整した値)を見てみよう。

この比率は2020年初来、しばらくはおおむね0.75〜0.80倍を中心に横ばいで推移していた。だが同11月から上昇傾向に転じ、今年2月16日には0.914倍とピークを付けた。

そこから5月ゴールデンウィーク明けの株価急落時の5月13日まで低下し、0.736倍でいったん底入れはした。その後反発が少し続いたものの、再反落に転じ、先週末の7月30日には0.712倍と、今年に入っての最低値を更新する動きだ。

こうした日経平均株価の相対的な劣後は、今年2月半ばまでの同指数の上昇が「はしゃぎすぎ」で、その反動が出たという解釈も可能だ。だが、日米株価格差の背景要因は、前回のコラム「日経平均が下落でも『年末3万円超』は不変のワケ」でも指摘したとおりである。

そこで挙げた要因は主として3つだ。

(1)アメリカではバリューもグロースも、景気敏感株もIT株もといった、異なる2つのセクターを同時に買い上げる「バーベル戦略」が投資家の間で広がっており、それが全面底上げ相場を実現している。一方の日本は新型コロナウイルス感染症の流行に対応するための緊急事態宣言などがなかなか解除されず、輸出製造業株は買えるものの、小売り、外食、旅行関連などの国内非製造業株を買いにくい地合いとなっている(片肺飛行)

(2)菅義偉政権の支持率が低迷傾向にある中、本年中の総選挙実施が不可避であるため(衆議院議員の任期末は今年10月21日)、政治的な不透明感が台頭している

(3)東京オリンピックの運営(開会式を含む)のドタバタが、海外投資家の間で「日本の企業経営が『現場力』頼みである」という以前からの疑念を連想させ、日本企業の経営に対する不信を確信に変えてきている

というものであった。

以上から、前回のコラムでは「企業収益の回復基調がいずれ日経平均を押し上げそうだが、しばらくは上値も重く、日経平均の3万円超えを待つには忍耐が必要である」と結論づけた。そうした展望は、現時点でもまったく変わりがない。