相次ぐ検査不正や社員の自死などの労務問題から立ち直りを目指す三菱電機。その取り組みに、早くも暗雲が垂れ込めている。

6月に発覚した鉄道用装置での検査不正を受け、杉山武史前社長が引責辞任し、専務執行役だった漆間啓氏が社長に昇格したのが7月28日。そのたった2日後の7月30日、三菱電機のホームページにひっそりと、「業務用空調・冷熱機器ご愛用のお客様へのお詫びと点検のお知らせ」と題する文章が掲載された。

同社の冷熱システム製作所(和歌山市)が製造したビルや店舗などの大型施設に使われる業務用空調について、最終検査工程に使う装置が断線による故障で正常に作動していなかった。具体的には、絶縁抵抗試験と耐電圧試験が常に合格になる状態となっていたという。

7年間にわたり見落とされた不備

不備が起きていた期間は、2014年6月から2021年7月までの7年間。対象は578機種4万338台に及ぶ。うち27機種2430台は、電気用品安全法が定める検査ができていなかった。対象製品は、全て国内で販売されたものだった。

同社は法定検査ができていなかった製品の点検を進めるとともに、それ以外の製品も顧客の要望があれば無償で点検する。ただ、この試験とは別に通電による動作確認試験を実施しており、製品の安全性は確保できているとしている。

検査不備の期間は長かったものの、対象台数は限られており、再点検自体が経営に与える影響は軽微とみられる。だが、今回の不備は三菱電機が改善できない「問題体質」を改めて浮き彫りにした。